建築撮影を建築写真家に依頼する意味

関西を拠点に活動しております、建築写真家の貝出翔太郎です。

今回は、「建築撮影を建築写真家に依頼する意味」について考えてみます。

建築写真の必要性

建築写真とは、建築物の外観や内観を撮影した写真のことを言います。

建築物は完成後に建築主に引き渡されるため、メーカーなどの一般的な商品と異なりその建築物を在庫することはできません。

ですので、多くは建築物が竣工した際に建築撮影を行い、作品や商品としての建築物が最も美しく綺麗な状態を写真に残すのです。(施主様がお住まいになってから撮影する建築写真もあります)

しかし、その撮影を素人が自前で済ませてしまう場合には、その建築物がどれだけ素晴らしいものであっても、その写真を観た人にはその魅力は半分も伝わらないでしょう。

建築物の撮影を専門とする写真家に撮影を依頼することで、建築物の作品・商品としての価値・魅力を、写真を観た人にそのまま、もしくはそれ以上に伝えることができるはずです。

建築写真で可能になること

【企業】

①依頼主:建築設計事務所、ハウスメーカー、工務店

上記のような建設会社が、自社の手掛けた建築物を建築写真として残すことで、今後の新規顧客開拓や自社の販売促進に利用できる。
WEBサイトの施工事例、SNSやブログでの紹介、チラシやネット広告、街頭看板での広告宣伝などで、自社の建築商品の魅力をPRするために活用できる。

建築撮影のご依頼の中で、最も多いのはこのケース。
建築設計事務所は建築物を芸術作品として捉えた写真が、
ハウスメーカーは広告目的の商業的写真が多くなる傾向があります。
WEBサイトのアーカイブに解説付きで建築写真を掲載し蓄積していくことで、WEBサイトのSEO対策にもなりますし、依頼主のサイトが充実していく様を拝見できるのは撮影者としても嬉しいことです。
貝出写真事務所では、基本的に版権の1次使用権は撮影ご依頼主様に譲渡致しますので、SNSやWEB広告など各所で活用していただけます。(但し、
著作権自体は撮影者に帰属します)

②依頼主:オーナー、経営会社

商業施設や店舗、マンションなどのオーナーが、建築写真撮影を依頼。
自身の店舗や物件の建築写真をWEB広告やSNSに掲載することで、早期に集客の向上を見込むことができる。

新規オープンする店舗などは、開業時に店舗の写真が無ければ広告を出すこともできず中々集客を見込めません。
多くの方は検討しているお店の情報を検索するときに、商品写真(例えば美容院であればカットモデルの写真)だけでなく、店舗の写真を見てお店の雰囲気で決定することが多いのではないでしょうか。
商売をする場合には、やはり店舗をきちんと撮影した写真があるとお店の説得力が増します。

【個人】

③依頼主:建築士・設計士

建築設計事務所やハウスメーカーなどに勤務中の建築士・設計士が、自身の手掛けた建築物を作品として残すために建築写真撮影を依頼。
自身のポートフォリオ(作品集)を作成し、転職活動や、独立し自らの設計事務所を立ち上げる際のスタートアップの営業活動に利用することができる。

このケースも意外と多いです。
①のケースと異なるのは、設計事務所などの組織に属している方が会社としてではなく個人としてご依頼くださるということです。
個人的にも若手の建築家や、スタートアップの建築家を応援してさしあげたいので協力は惜しみません。

④依頼主:建築主

建築物の施主が、個人的に自身の建築物を記録として残すために依頼。

自身が様々な部分に想いを巡らせて、ついに完成した自邸を記録に残したいというお気持ちはよくわかります。
ドローンなども使用して、施主様が暮らす街並みも風景として記録する場合もあります。

最後に

建築写真撮影は、特殊な撮影技術と高度な画像処理技術が求められる、専門性の高い撮影ジャンルです。

また、写真家によって被写体を切り取る目線や色調が一人一人異なりますので、建築写真を依頼される際は、撮影者の写真の作風をよく確認することをお勧めします。

その上で、自分の求めている建築写真を撮影してくれる建築写真家に巡り会うことが出来たら一番なのではないでしょうか。

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